海外社長インタビュー 教育関係 日本映像翻訳アカデミー 新楽 直樹さん

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海外社長インタビュー INTERVIEW WITH PRESIDENT

新楽直樹

日本映像翻訳アカデミー/English Clock. 代表 新楽 直樹さん

東京の大学を卒業後、家電メーカーに就職するも、広告企画や雑誌編集を行うプロダクションへ転職。その後、自身で編集プロダクションを立ち上げ数々の雑誌編集や、広告企画プロモーションに携わる。1990年に編集者やライターを育成する学校「編集の学校(東京・渋谷)」の運営にも携わり編集者の育成事業を開始。1995年に「日本映像翻訳アカデミー」を設立。後に、ロサンゼルス校も開校し、日米を拠点に映像翻訳者の育成を行う。

日本初、ロサンゼルス初"映像翻訳"の世界を開拓。 "学んだ技術を仕事に活かす"を要とし、 映像翻訳の"専門家"の育成・支援に力を注ぐ。 時代の流れとともに移り変わる情報をいち早くキャッチし、 確かな日本語、豊かな英語で国内&世界に発信!

これまでの経歴(何を勉強され、どのような道を歩まれてきたか等)をお聞かせください。

1963年に静岡県の伊東市という温泉街に生まれ、高校を卒業するまで伊東市内で過ごしました。野球と街の小さな映画館での洋画鑑賞に明け暮れる毎日でした。ただ、中学・高校では英語と社会(主に政治)の授業には興味をもって臨んでいました。 大学はその年に新設された青山学院大学の国際政治学部国際政治学科に入学。「国際政治学部国際政治学科」は、帰国子女の方々や留学経験者を集め「国際人」を養成すると謳い、当時の大変人気がありました。私のように海外旅行もしたことのない学生はほとんどいなかったのですが、英語中心の講義に没頭した経験と学友たちは、今でも私の大きな"財産"です。 卒業後は家電メーカーに就職しましたが、学生時代にアルバイトをしていた広告企画や雑誌編集を行う小さな事務所から誘いを受けましたので、一念発起して転職しました。 ほどなく独立し、編集プロダクションを立ち上げ、小学館や講談社、マガジンハウス、日経BP社が発行する多数の雑誌の編集・出版や、電通が手掛ける企業プロモーションにマーケティング・プランナーとして携わっていました。1990年頃、同業者と共に編集者やライターを育てるスクール「編集の学校」(東京・渋谷)の運営に携わりました。同校は今でも多くの受講生を迎え入れています。

これまでの経験

出版業界で活動された後、日本映像翻訳アカデミーを設立されたきっかけを教えてください。また、なぜ書籍などの翻訳ではなく"映像翻訳"に焦点を当てられたのでしょうか?

実は今の法人にも出版部門を残していて、『日経ビジネス』や『ナショナルジオグラフィック日本版』の編集に協力しています(笑)。が、もちろん主たる業務は映像翻訳者を育成して就業支援を行う「日本映像翻訳アカデミー」の経営です。 1995年頃、日本ではケーブルテレビ網が整備されつつあり、加えてCS衛星放送が登場する前夜でした。その実情を知る総合商社の知人から、「300チャンネル時代到来!というけれど、外国の放送局のチャンネルや大量の海外番組を、いったい誰がどのように日本語化して家庭に届けるのかは決まっていない」と聞かされました。 驚くと同時に、私の頭の中で、「大好きな洋画や海外の番組」、「しっかりと英語を学んだのに仕事には十分に活かしきれていない人たち」、「スクールで職能を学ぶ社会人の姿」、「字幕や吹替え翻訳の要は出版と同じ確かな日本語表現」という要素が1つの概念として結び付きました。
それが「映像翻訳」だとわかり、すぐにスクール開設の準備に取り掛かりました。 コンセプトとして最も重視したのが「学んだスキルを仕事に活かすこと」です。それまでにもハリウッド映画の字幕翻訳家に憧れるような方々を対象にした他のスクールや講座はありましたが、映画やドラマはもちろん、ドキュメンタリー番組、スポーツ番組、生活情報番組など幅広いコンテンツに対して、字幕と吹替え両方の技術で対応できる翻訳者の育成を目指しました。旧来のスクールにはあまりなかった「就業支援部門」をいち早く設置したり、映画配給会社やテレビ局と連携して講座を開発するなど、新しい試みを続けていきました。
そうしたチャレンジが時代のニーズに合致したのでしょう。スクールは少しずつ大きくなり、優秀な受講生に集まって頂けるようにもなって、多くの映像翻訳者を業界に送り出すことができています。

ロサンゼルス校を設立されたきっかけを教えてください。

映像翻訳を必要とする海外映像の多くは米国発であり、特にロサンゼルには米国内のコンテンツはもちろん、世界のコンテンツに関する情報、あるいは関係事業者が集まっています。また、近年日本の映画やアニメーション、テレビ番組を英語化するニーズが急激に高まっており、こうした情報もロサンゼルスに集まっています。我々が関係する多く映像翻訳者の就業に役立つ情報や具体的なビジネス案件をいち早く掴むことが、LA校の1つの目的です。
もう1つの重要な目的は、ロサンゼルスの地で優秀な映像翻訳者を育成することです。今や映像翻訳のビジネスを受注するのに場所は大きな制約条件とはなりません。米国の会社から映像翻訳を受注している東京の翻訳会社もありますから、ロサンゼルで映像翻訳を受注することも、もはや特別なことではありません。ましてや日英映像翻訳となれば、ロサンゼルに在住するメリットは大きい。現在講師としてきていただいた方々は、すでにそうしたビジネスを成立させている方ばかりです。こうした傾向は、今後ますます高まっていくと予想しています。

ロサンゼルス校を設立されたきっかけを教えてください

今後、映像翻訳(日英・英日)の需要は日本とアメリカのどちらで高まるとお考えですか?

インターネットはテキスト・コンテンツに加えて、動画視聴のツールとしても定着していくでしょう。従来のテレビ放送やDVD(またはブルーレイ)などパッケージメディアはもちろん、インターネット動画視聴に対して生じる映像翻訳需要や映像翻訳者の作業場所については、国境は関係なくなるだろうと考えています。日本が世界に誇るジャパンアニメーションでさえ、最後のクレジット見ないとどの国で動画が制作されたかわからない時代ですからね(笑)。

映像翻訳を"アメリカ"で学ぶ利点を教えてください。

到達すべきスキルやそれに対する評価に違いはありませんが、米国で生まれたコンテンツをいち早く視聴することができたり、作品や番組の背景にある社会状況やトレンドなどを肌で感じ取りながら学べる利点は大きいですね。例えば日本ではFOX系列人気オーディション版番組「アメリカン・アイドル」の字幕翻訳を手掛けている当校の修了生たちがいますが、背景情報の入手などに苦労することもあるようです。アメリカにいてリアルタイムで楽しんでいれば、もう少し楽になるかもしれませんね。現状では、日本にいる映像翻訳者が作品や番組を"初めて観る状態"から作業するケースが意外に多いのです。日英翻訳で言えば、ズバリ最終視聴者が周囲に大勢いるわけですから、完成原稿の良し悪しを判断したり、フィードバックを受けやすいという大きなアドバンテージが生じます。

お仕事でのやりがいをお聞かせください。

フリーランスの誇りある職業人として、長く仕事を続けられる方たちを支援すること、そしてその方たちが厳しいなかでも活き活きと働いていらっしゃるのを見ると、この仕事に携わってよかったと思います。

会社の代表として、ご自身で心がけていることやモットーをお聞かせください。

共に働くスタッフや講師が、教務や管理部門までも含めて映像翻訳の"専門家"であること、そして自分が成長するのと同じように、映像翻訳者を育成・支援することに喜びを感じることができるよう、働く環境を整えることが私の役割だと感じています。

今後はどのような展望をお持ちでしょうか?

映像翻訳という仕事をさらに社会に認知して頂き、定着させたいですね。プロとして活動することはもちろんですが、映像翻訳は映画祭・映像祭を支援したりなど、国際的なコミュニケーションの場でボランティアとしても社会貢献できる技術です。日本校では国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)が開催している「難民映画祭」の全作品にボランティアで字幕翻訳を行うなど、年間10以上の映画祭・映像祭を支援しています。ロサンゼルス校でも2009年の「ジャパン・フィルム・フェスティバル」(JFF)に協賛しました。また、大学や専門学校でも映像翻訳が研究対象となり、コミュニケーション学の1つとしてカリキュラムに導入されるようになるといいですね。すでにそのような働きかけを始めています。ロサンゼルス校で培った経験や巣立った方々の実績が、そうした方面にも重要な役割を果たすものと期待しています。

私生活での楽しみや気分転換の方法、趣味は何をされていますか?

趣味がほとんどなくて…(笑)。やっぱり映画やテレビ番組を観ている時が一番リラックスしますね。読書も好きです。特にビジネス書に関しては趣味と実益を兼ねていて、現「日経ビジネスアソシエ」などの雑誌で書評や新刊紹介を執筆しています。

アメリカでこれから働きたいと考える人たちにエールをお願いします!

私はとにかく新しいことにチャレンジすることが好きですし、そういう方々を応援しています。「アメリカで働こう!」と言うと、「無謀なチャレンジを…」とか「不安じゃない?」などという声が耳に入ることもあると思いますが、私は「新しい場に身を投じ、新しい知識や経験を身につけること」こそが、実は、今の社会で確実に生き残っていける方法だと思っています。明確な目標をもち、日々新たな人や課題に出会うことで自分は成長できるのだと信じて、思い切りチャレンジして下さい!

文章のプロは説明のプロである。新楽さんにインタビューをさせていただき、お話しを伺う上での発見の一つです。時代の流れをキャッチするためには、何事にも"好奇心"を持つこと。常に新たな発見を求めて"アンテナ"を張り巡らせておくこと。向き不向きに関わらず、"チャレンジ"する態度を持ち続けること。時代の流れと変化に"敏感"になること。これらのことが自分自身の成長と更なる前進のために不可欠であると実感しました。また、日本人として、"正確な日本語"を身につけておくことの大切さも改めて実感しました。 大変多忙なスケジュールの中、インタビューにご協力いただき、本当にありがとうございました

(Interviewer 田島 麻美)

Japan Visualmedia Translation Academy
2100 Sawtelle Blvd., Suite 101
Los Angeles, CA 90025
www.jvtacademy.com

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